☑ お知らせ

タイヤの選択基準

 タイヤには多くの種類があります。車両タイプや用途、求める性能の組み合わせ、価格帯、好みのブランドによってタイヤを選ぶことができます。また、季節による路面状態に応じて、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを適切に履き分けることも重要なポイントです。まずは、車両に適合するタイヤサイズを確認し、用途や目的に応じて選択しましょう。

☑ サイズの確認

 タイヤサイズを確認するには三つの方法があります。現在ご使用中のタイヤ側面に、サイズ規格である数字や記号が表記されています。あるいは、運転席の扉を開けたところに、空気圧とタイヤサイズが記載されたシールが貼られています。また、車両の取扱説明書にも記載されています。

☑ 季節で選ぶ

夏用タイヤ
 新車に標準装備されている一般的なノーマルタイヤのことで、季節を問わず使用されています。ドライ性能やウエット性能、静粛性といった各性能がバランスよく追及されているのが特徴です。一方、極寒時、凍結した路面や雪道の走行には適しません。

スタッドレスタイヤ
 冬季に使用されるタイヤです。低温下でも硬くなりにくいゴムを使用しており、新雪路や厚雪路だけでなく凍結路面でもグリップ力を発揮します。ただし、高温時にはグリップ力が劣るため、夏場の使用には向きません。

オールシーズンタイヤ
 夏用タイヤに雪上性能をプラスし、乾燥路から軽い雪道まで年間を通じて走れる全天候型のタイヤです。利便性の高い選択肢ですが、凍結路は得意としていないため、降雪の頻度が少ない地域に適しています。

☑ 機能で選ぶ

エコタイヤ
 燃費性能に優れたタイヤです。低転がり抵抗と優れた耐摩耗性を特徴としています。一定レベル以上のウエット性能があり、環境にやさしく、経済的な運転を支援します。

コンフォートタイヤ
 高い静寂性や操作性を実現した乗り心地を重視したタイヤです。一般的に高級車に多く装着され、グリップ力、耐久性など全ての面で優れたバランス設計がされています。通常タイヤよりも溝を細かくしたり、タイヤ内部に吸音材を装着したり様々な工夫がされています。

ハイパフォーマンスタイヤ
 スポーツカーや高性能車向けに設計されたタイヤで、エンジンのパワーを確実に路面に伝える強力なグリップ力が特徴です。高速走行やカーブ走行時の安定性を追求し、優れたブレーキ性能や操縦安定性を備えています。

ランフラットタイヤ
 高級車に採用されることが多く、パンクしても所定の速度で一定距離を走行できるタイヤです。通常のタイヤよりもサイドウォール部を硬くすることで、空気圧がゼロになってもタイヤの構造を維持して走行できるようになっています。

セルフシールタイヤ
 パンクをしても、瞬時に自己修復してくれるタイヤです。タイヤ内部に粘りのあるシール材が塗布されているため、異物が刺さり貫通したとしても、シール材が穴をすぐに塞いでくれます。

オールテレーンタイヤ
 舗装路から悪路まで幅広い路面に対応した4WD車・SUV車向けタイヤです。舗装された道路を安定して走るオンロード性能だけでなく、未舗装の荒れた路面を走るオフロード性能が高められており、砂利道や泥道のような悪路でも走ることができます。

オフロードタイヤ
 不整地や悪路走行を想定した設計のタイヤです。不安定な路面で推進力を得て外的な衝撃からタイヤを守るために、トレッド面は溝が深いブロック形状で、サイドウォールが厚く扁平率が高いことが特徴です。

レーシングタイヤ
 レースやサーキット走行向けに開発されたタイヤで、高速走行やハイパフォーマンスを追求しています。特殊なゴム組成とデザインにより、最高のパフォーマンスを発揮します。

☑ 車種で選ぶ

軽自動車/コンパクトカー
 日常の足として近距離使用の場合が多く、タイヤ本来の性能をフルに発揮する場面が少ないことから、低価格帯のベーシックタイヤが選択される傾向にあります。

ミニバン
 高重心、高重量、高荷重などの車両特性に対応したミニバン専用タイヤが開発されています。カーブ走行時にふらつきにくく、片摩耗を抑制する技術が採用されています。

SUV
 ミニバンの条件に加え、オンロードやオフロードなど多目的な用途を想定したタイヤが開発されています。

セダン/クーペ
 乗り心地の良さを追求される傾向にあることから、静寂性や操縦性に優れたプレミアムタイヤが開発されています。

スポーツ車
 高いグリップ力と走行性能が重視されます。車のポテンシャルを最大限に発揮するための専用タイヤが開発されています。

EV車
 走行時のノイズを抑え、航続距離を向上させる低燃費性能を重視するなど、EV車の特性を考慮した設計がなされています。

☑ 性能で選ぶ

 技術開発の進歩により、複数の性能をバランスよく高い次元で採用しているタイヤが理想です。しかし、タイヤの開発には、ある特定の性能を追求すると、相反関係にある別の特性が犠牲になるというジレンマが生じます。そのため、各メーカーは、バランス性能を追求しながらも、独自の特長を打ち出した様々なブランドを立ち上げています。

ドライ性能重視
 乾いた路面におけるグリップ性能です。ハンドリングが安定しブレーキが効きやすくなります。

ウエット性能重視
 雨などで濡れた路面をとらえ、安定性を確保しながら安全走行できる性能です。

直進安定性重視
 横風や路面の影響による車のふらつきを抑え、安定してまっすぐ走ろうとする性能です。

高速安定性重視
 高速道路など、スピードを出したときに安定して走れる性能です。運転疲労の軽減が期待されます。

静寂性重視
 走行音を抑え、快適にドライブできる性能です。乗り心地の良し悪しを知る目安にもなります。

低燃費性重視
 走行距離に対する燃費の効率のことです。転がり抵抗を低減させ燃費効率を向上させます。

乗り心地・快適性重視
 路面の凹凸による揺れや振動が車に伝わることを抑え、乗り心地を良くするタイヤの性能です。

耐摩耗性重視
 耐摩耗性が高いと寿命が延びます。タイヤを長持ちさせ、長い距離を走るのに適した性能です。

☑ 価格帯で選ぶ

 一般的に、同じサイズであれば、高価格タイヤのほうが高性能であるといえます。ただし、自分が重視する機能や性能が優先的に採用されているかを確認する必要があります。

プレミアム/高性能タイヤ
 各メーカーの最上位モデルで、乗り心地と静寂性、走行性能を兼ね備えた高級タイヤです。

ノーマル/標準タイヤ
 新車購入時に装着されている、車の特性に合わせて設計されたタイヤです。

ベーシックタイヤ
 基本的な性能を確保しつつ、コストが抑えられています。普段使いには何ら問題のないタイヤです。

☑ ブランド/生産国で選ぶ

日本国メーカー
 国内メーカーのタイヤはどれも基本的性能が非常に高く、それぞれを比較しても大差が無いといわれています。そのため、メーカー各社は自社の得意分野をアピールし、他社との差別化を図ろうとしています。時代の要請もあり、特にエコタイヤ、低燃費タイヤの開発に注力しています。〔ブリヂストン、ダンロップ、ヨコハマ、トーヨーなど〕

欧米国メーカー
 世界的な知名度のある大手メーカーには歴史と信頼性があります。国産タイヤと大きな性能差がなく、総合的に品質も良好です。価格は輸入時の為替相場により変動することがあります。〔コンチネンタル、ミシュラン、ピレリ、グッドイヤーなど〕

アジア諸国メーカー
 世界的に信頼のあるメーカーも一部存在します。十分な性能と安全性を備えたものが増えてきています。極端に安価の場合は、耐久性や基本性能を犠牲にしているケースもあり注意が必要です。〔ハンコック/ネクセン/クムホ(韓国)、マキシス/ナンカン/ケンダ(台湾)など〕

注意事項

 サイズ、種類、構造、カテゴリーの異なるタイヤを同一車軸に使用しないでください。タイヤ性能が異なるため、車両の操縦性・安定性が損なわれ事故につながるおそれがあります。ただし、応急タイヤおよび自動車メーカーによる個別の指示がある場合は例外とします。