確認が必要な点検内容は次の通りです。走行時の安全を確保するためにも、必ず日常点検を実施しましょう。
☑ 適正空気圧の確認!
タイヤの空気圧は、何もしなくても1か月に付き5%程度、自然に低下するものです。適正空気圧を維持することは、偏磨耗を防ぎタイヤの寿命を延ばします。また、燃費の改善も期待できます。空気圧不足の状態で高速走行を続けると、タイヤが異常発熱しやすく、バースト(破裂)の危険があります。最低でも月に1回、定期的な空気圧の点検をおこない、車種に応じた適正値を維持するようにしてください。空気圧の点検は、走行前のタイヤが冷えた状態で行います。充填空気圧は、車両ごとに指定された値を基準とし、0~+20kPaの範囲内で調整します。一方、走行により発熱の影響を受けた場合、測定値が走行前に比べ20~30kPaほど高めの値を示すことを考慮する必要があります。掲載写真は、ガソリンスタンドでよく見かける、持運びが可能な、空気圧調節タンク式エアーインフレーターです。操作も簡単で、誰にでも空気圧チェックと調節が行えます。
☑ 異常な摩耗の確認!
タイヤの中心部と両端部が均一に磨耗しているかを確認します。空気圧が高すぎると中心部の減りが進み、逆に空気圧が低すぎると両端部の減りが進みます。偏摩耗が見られる場合、空気圧が適正でない可能性があります。また、車種によっても摩耗しやすい箇所が異なります。ミニバンなど重量のある車両は、外側が摩耗しやすく、一方、スポーツ車では、内側摩耗の傾向がみられます。必要に応じ、タイヤのローテーションや車種に応じた専用タイヤの装着が推奨されます。
☑ 亀裂や損傷の確認!
タイヤ点検の際に釘や金属片が刺さっているのを発見された場合、異物を引き抜くことで急激に空気が抜ける恐れがあります。取り除く前に専門店にご相談ください。
強烈な紫外線や経年によって発生する表面の小さなヒビは要経過観察となり継続使用に問題ありませんが、深部にまで達するような傷・裂け・ヒビ割れがある場合は要注意です。水分等の侵入によって、セパレーション(内部構造の剥離)の恐れがあります。
また、タイヤ側面を道路の縁石等に接触させたことで生じるピンチカット(タンコブ状の膨らみ)がみられる場合は危険です。タイヤ内部のコードが切れている可能性があり、走行中に損傷し事故に繋がるおそれがありますのでご使用を控えてください。
☑ 溝の深さを確認!
道路運送車両法の保安基準で定められた使用限度は、残り溝1.6㎜です。たとえタイヤの溝が2mmあったとしても、法律違反にならないからといって、それで安全というわけではありません。
車に安全に乗るためには、タイヤの溝が3~4mmになったら交換した方が良いといわれています。特に雨天時の場合、溝が浅くなったタイヤは排水機能が働かずグリップ性能が低下します。また、ハイドロプレーニング(水上滑走)現象が起きやすく事故に繋がる危険性が増すことから、スリップサインが出現する前に、早めの交換を心掛けましょう。ただし、トラックが高速道を走行する場合、小型トラックは残り溝2.4㎜以上、トラック・バスは3.2㎜以上が必要です。
☑ スペアタイヤの点検!
最近の車は、燃費や環境への配慮からスペアタイヤを搭載せず、パンク修理キットで対応するケースが増えています。一方で、セダンやSUV、四駆車などコンセプトに合わせてスペアを標準装備し、また、オプションで選べる車種もあります。後者の場合、スペアタイヤの空気圧チックは忘れがちです。長期にわたり放置された状態であれば、空気圧が不足しているはずです。いざという時に活用できるように普段から点検をおこなうようにしてください。一般的なタイヤの空気圧が約200KPaなのに対し、Tタイプ応急タイヤの場合は、420KPaと約2倍の空気圧が指定されています。